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2012年04月21日:Posted by LOOCHOO(アートとデザイン)

アートとデザイン ♯8井上緑

井上緑
美術工芸プロデューサー




アートってなんですか?


アートとデザイン ♯8井上緑
アートde博・美まつり「想いのART」プロジェクト



「アートってなんですか?」

と、よく質問されます。

「デザインとアートの違いはなんですか?」

と、よく質問されます。

私の仕事、美術工芸プロデューサーは「どんな仕事がよくわからない」と言われます。

それはオーケストラの指揮者のような仕事だと思います。

指揮者はその曲を演奏するのに、楽器を選び、奏者を選び、演出を考える。 指揮者がオーディエンスに伝えたいその曲の在り方を提案する。

クラシックだと、指揮者によって全く違う感覚をうけたりもしますよね。 最近はギターを入れたりする人もいて、クラシック音楽でも親しみをもてます。 そういう指揮者の意図なのでしょう。指揮者は曲を作らないし演奏もしません。 似たようなことをアートでやっている仕事です。 ですから自分の考えがどうあれ、アートとデザインやクラフトについてその成り立ちや目的を曖昧にせず、誰でも分かりやすい解釈を前提に行動しないといけない仕事。

でなければ伝えたいことが伝わりませんし、独りよがりになってしまいます。

質問について私は 「難しいことは何もありません。1分で説明できて誰でも理解できますよ」と答えます。

と言うと、長々とした難しい答えを期待していたのか、

ギョッとした顔で私を見る人もいます。

だってアートって簡単なことなのよ。私の1分の説明はこうです。

「アートって英語です。日本語では芸術です。術とつくからには何かの技術なのです。

それは表現する技術のこと。

機械を作るのには工学的技術を使います。それと同じことです。

アートとは絵画や彫刻のことを指すのではありません。

その制作の過程で必要な表現するための技術がアートです。

できたものは作品といいます。

英語ではアートワーク、アートピースといいます。芸術と芸術作品の違い。

日本語で言うとわかりやすいですね。

アートは表現する技術のことです。

そこに目的と方法が加わってそれはデザインと呼ばれたり、陶芸と言ったり、アートの種

類には絵画や彫刻、写真。音楽というのもあります。

アートはそれらすべての表現技術を含めて指す言葉。

デザインはアートの中で、ある目的と方法をもって作られた一つの表現技術(アート)というわけです。

デザインとアートはそもそも違う範囲をさす言葉というわけですから、

その差を比較するものでもありません。」

こんな風に言うと質問について、ほとんどの人に理解してもらえます。

ただ、同時になにか興ざめしたような、キョトンとしたような顔になって

少しがっかりしたような感情がその人の中でおこるのです。

それは、そのように質問する人の中で、

アートやクリエイティブという言葉が何か特別な、

とてつもなく大きなエネルギーを持っているという意識があって、

そこに興味を抱いているからこそ質問しているからだと思います。

実際、作品から感動を得たり、自分でも理解できないような感覚になった経験があるのかもしれません。

そういう顔を見ると、わたしはこんな風に言います。

「本当にアートを理解するということは

『アートとは何か?』『デザインとアートの違いは何か?』ではなく、

『それらすべてのアートはいったい何のために存在するのか』を知ること。

作品のエネルギーはボーダレスに広がって人に影響を及ぼしていく。 なぜなら、アートは人間にしかできない技術。
そして動物にはなんの影響もない。

哺乳類である人間が他の哺乳類と区別して人として生きている意味そのものを問い、

訴えかけることができる。人はそのためにアートが必要なのです。

たとえ嫌悪感であっても作品から何かを感じられる以上、人として生きている

ということです。」

アートってなにかもやもやした、複雑に絡みあった、なんとなくわかりにくいようなもの、、、、という意識をもっている人は多いですが、それは芸術作品に対する感想であってアートは表現する技術なので、そのもやもやがアートではありません。

その技術が未熟な作家が作った作品はそのように感じるかもしれないし、

時にはそう感じさせたいと意図して作品を制作している作家がいるかもしれません。

分かりにくい物に対して人は嫌悪したり逆に期待をしてしまう。

つまり、

アートやデザインが何かということは、もはや問題ではありません。

人間にしかできないその技術を使って人は何ができるのか。

アートとは人が人として生きている実感。

人間は動物と違って、食べる物、着るものだけでは生きては行けません。

感情がなければ生きてはいけない。

どんなに絶望という感情に支配されていても、ほんの少しの喜びを実感できれば生きていられるでしょう。

「生きる喜びとはなにか?」人間は生きている間それを実感しなければ死んでしまうということです。そのためにアートを生みだしたのだと思います。

どんなに戦争を起こそうとも、人間はそれを作品に残してきました。 どんなに残酷な日々でも作者には希望という生きるための、少しの喜びが必要だったのだろうし、だからこそ生きて作品を残しました。


「生きる喜び」を私らしく、ユニークな方法でみなさんに伝えることができる仕事。

と言うと素敵です。

しかし実際はというと、

中学受験から始まって、ずっと受験勉強の日々を送っていた高校のある日、

このままだと社会的に成功するかもしれないが、何も感じない大人になってしまう。

そう感じた時、「自分が死ぬ」という恐怖に襲われました。

アートに関わった仕事をしているのは何も感じない自分になってしまうのが怖いから。

死ぬその瞬間まで、子供のように素直に感動できる人間でいたいから。

ほんとうは、ただそれだけのためにこの仕事をしているのです。

自分は機会や動物じゃない。人間らしく生きるためにアートが必要。

アートとデザインの違いなんて私にとってはなから問題ではないのです。

みなさんは自分の中にある「生きる喜び」を実感していますか?

あなたが今生きているとしたら実感しなくとも必ずそこにあるのです。

アートってそういうもんなのよ。







井上緑さんがプロデュースした
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Posted by LOOCHOO(アートとデザイン) at 05:45│Comments(0)アートとデザイン
 
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